先月、北海道の別荘へ二ヶ月ぶりで行ってきました。別荘の廻りを縄張りにしている鶴の番が越冬地から戻って、緑の牧場に白い雄姿を見せてくれ、ホットしました。昨年は一羽の雛を立派に育てて、越冬地に向かいました。数ヶ月の間に子供鶴は恋人を見つけ、親ばなれしたのでしょう。
鶴は一生連れ添うそうで、縄張りも決まっているようです。六月から孵化の時期ですので初夏には小さな雛を連れて我が家の前に見せにくるに違いありません。丹頂鶴が庭にやってくる別荘はそう多くはありません。やってくるというよりは隣人たちなのです。
別荘の前に広がる友人の牧草地は何百ヘクタールもの広さを持っていて、遠くに鶴がいるときは注意深く見ていてやっと、白い点として発見できる位です。その遠くの姿を眼の前に引きつけ、リアルに実物大に見るためにスワロフスキーの高倍率の双眼鏡を買いました。ですから、いつもあの美しい丹頂鶴の姿をリアルに観察することができます。
鶴たちを隣人と呼びましたが、もう一匹隣人がいます。
その隣人とは北キツネです。この隣人は勿論私が別荘を建てる前から、この辺りを住みかにしていたので、私が侵入者ということになります。
この北キツネ、何と小さな四匹の子供を産み、育てているではないですか。別荘から二百メートル程離れた小さな森に横穴を作って、出産し、子育てをしていました。私が近くに行くと母親は百メートル程離れて見守っています。本当に可愛い子供たちですが、私の姿を見ると、サッと穴の中に隠れてしまい、代わる代わる興味深い顔つきで穴から一寸だけ出てきます。
私は彼らが好きそうな食べ物を持っていき、穴から五十センチ程離れたところに置きました。臭いにつられて、代わる代わる顔を出します。とても臆病で鼻先しか出せないもの、一寸は度胸があるが食べ物までは出てこられないもの。そのうちヤンチャそうな顔をした一匹が飛び出してサッと持って行きました。
春はこのような小さな生き物たちに触れ、心が洗われる時でもあるのかもしれません。
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