南仏の一番いい季節といわれている六月に、モナコ公国に旅行する機会があり、
モンテカルロで一番古く美しいホテル、ホテル・ド・パリに一週間程滞在、
モナコを満喫してきました。
海岸線にそった街のかたちは私が住む熱海ととても似ていることを再確認したことは
いうまでもありませんが、街を屏風のように囲んでいる山々もよく似た風景で、
熱海のことをリトル・モナコとしばしば言ったり書いたりしたこと、
一見間違いないと胸をなでおろしました。
私が泊ったホテル・ド・パリは1864年の創業で、隣接するグラン・カジノとともに
モナコの歴史をつくってきたといわれています。
国賓は勿論のこと、フランスを訪れたほとんどの皇族、国家元首、億万長者の足を、
そそくさと地中海に向けさせたのは、パリにも劣らないというこのホテルの風評だった
といえます。
外見はすでに百数十年を経ているので、一見、古色蒼然としているが、
何度かの改装があったのでしょう、見えない部分はハイテク化しているが、
大理石のロビー、圧倒的なスケール感、絢爛たる装飾も、
このホテルのたどった歴史の重みの前では決して過剰とはいえなく、伝説が生き続けています。
私はこのホテルの大理石づくりのロビーと、木調の美しいバーが気に入って、
バーの入口のロビー側にニ脚ほど用意されているローテーブルの椅子に腰を落ちつけ
ジントニックを飲むのが日課になり、王侯貴族の気分を秘かに満喫、
幸せ気分を味わってきました。
私の部屋は多分、窓からの眺望は一番よいところだったと思います。
遠くに地中海の水平線、目下には世界一美しいといわれるモナコマリーナ、
そしてマリーナ越しの小さな半島の丘には宮殿が手にとるように見え、
眺望の構図も美しく、そのまま南仏の風景画を彷彿とさせました。
私がモナコ滞在中に強い印象を受けたものは他に二つありました。
滞在中は毎朝ホテルのガーデンテラスで、貴族の気分を味わってシャンパン・ブレックファスト
をいただき、一時間程、朝の南仏の空気を肌で感じながら、
この感触を何と表現したらよいのだろうと、遠く地中海の水平線を眺めながら、
軟らかく、包み込むような南仏の空気の感触を味わうことができました。
空気が違うんです。
でもうまい表現を見つけることができず、俗な表現で「軟らかい」としかいうことができず、
南仏、わけてもコートダジュールの気候はこの空気で特徴づけられているのだろうとしか
いいようがなかった。
南仏はたくさんの著名な芸術家を輩出しているのはこの気候、
風土のせいだとモナコに住む友人の話に納得もしました。
モナコは王侯貴族、億万長者とともに歴史と文化をつくってきた公国です。
文化の核をなすのが「食」です。私は滞在中、ディナーは最高級、
そして評判のよいレストランでいただくことにしました。
レストランの格はボーイ達をはじめ、支配人のもてなし(持て成し)できまるといわれています。それはサービス精神だけではできるものではなくお店がかもし出す風情と出される料理、
そして洗練されたサービスが一体になって店の格が決まるのだろうが、何といっても
1860年代から続くモナコの食文化は一口で表現すれば世界一といえるのではないだろうか。
評論家のように一つひとつ説明はしないが、料理もおもてなしも比類なきものであったことは
間違いない。
モナコは有名店の多くはフランス料理です。
毎日食べ歩いても上質な味の違いが堪能でき、モナコは小さな公国なので3~40分も
車で走ると東にイタリアがあり、イタリア料理も楽しめます。
西に車で3~40分走るとカンヌ、ニースに行ける地点、美味しい料理とワインのメッカ
ともいえるかも知れない。
このモナコに私の学びたい分野の大学院があります。
今回アドミッション・オフィサーと会ってきました。
80才を迎えたらこのモナコで学生生活をエンジョイしようと思っているところです。